DAEMON X MACHINA
ジャンル:ロボットアクション&TPS
難易度:やや難
クリア時間:15H~
系統:サイバーSF
ストーリー:複雑・難解
操作:複雑
プレイ人数:1(オンライン時1~4)
イブ、ちょっとゲームの話しようぜ
アイルさんはいつもゲームの話してるじゃないですか。他の話しないレベルで。
そうじゃねーわ!
いつもしてないゲームの、って話だよ
いっせいトライアルによさげなゲームが来てたからやってみたんだ
『いっせいトライアル』ですか?
任天堂が時々やってる企画だよ。
スイッチオンラインに加入してる人なら特に条件なく、対象になったゲームが一週間遊び放題ってサービスだな
スイッチオンラインは月々300円くらいだから、興味があったゲームを試すのにはもってこいなお得な企画だぜ!
それはいいですね
ゲームを買うたびに5000円とかかかっては家計が燃えますから。
・・・それもしかしてわたしのこと言ってる?
そうは言っていません。
DAEMON X MACHINAって?
今日見ていくのは『デモンエクスマキナ』ってタイトルだ
このゲームはまあ平たく言うとロボットアクションゲームだな
NPCや他のプレイヤーと協力していろんなミッションに挑んでいくのが基本的なゲームの進め方だな
な、なるほど……私には少し難しそうな感じですね。
実際、難易度はやや高・・・というか操作が忙しくて難しくなってるところがあるな
ある程度ゲーム慣れ、ロボ慣れした人がプレイするのを想定して開発してそうな感じがしたぞ
ストーリー
タイトルは意味深長ですね。
『
※機械仕掛けの神:演劇などで物語を終了させるために神様を登場させて事態を解決する手法。ご都合主義と同一視されることも。
マキナって部分はロボット要素を表してるんだろうな
デモンはある登場人物を指す言葉だ、ってことくらいに留めておくか
ネタバレ配慮ですね。
自分がストーリーネタバレ食らいたくない派だからな・・・
物語は月の一部が地上に落下し、人間の生息域が狭まった世界で始まるぞ
へ? 月が落下??
うん落下
地球吹っ飛びそうなのですが……。
意外と物理的被害は少なくて、逆に月から溢れ出た『フェムト粒子』ってもののおかげで技術革新が起きたりしてるんだ
そ、それなら幸いです……。
でもいいことばっかりじゃないぞ
月の落下地点近くから『イモータル』と呼ばれる機械生命体が発生して人を襲い始めたんだ
しかも人間が作った兵器やロボットを乗っ取って手駒にする能力があるもんだから、AIに頼りきりだった人類は防戦一方
今で言うとルンバやアレクサが私たちに反旗を翻すような感じですね。
スケールショボくすな
・・・とにかく危機に瀕した人類は落下地点の周囲に壁を張ってイモータルの勢力を食い止めることにしたわけだ
その敵勢力と戦うのが人型ロボットなわけですね!
単なるロボだとイモータルに汚染されちゃうから、中にはフェムト粒子に適応した強化人間『アウター』が乗り込んで戦う
それが主人公たちなんだ
評価点
三次元高機動戦闘の楽しさ
まずはアクション面だ
戦場では『アーセナル』と呼ばれるロボットを操作するか、機体を降りて生身+軽武装で敵を攻撃することが可能だ
生身で戦うんですか!?
もちろんアーセナルに比べると火力は落ちるし機動力なんかスズメの涙、積極的に使うもんでもないな
ただアーセナルが破壊された後も命尽きるまで戦えるって意味はある
ベイルアウトじゃないですが、大人しく撤退した方がいいと思うんですがね。
わたしも正直、生身戦闘はなくていいんじゃねーかって思った
スットロくて正直楽しくはないし
徒歩とジャンプくらいしかできない生身状態と違ってアーセナルに乗り込んだ時の機動力は凄まじいぞ!
高速で地上を駆け巡ることも空中から敵を殲滅することもできる!
しかも飛行にも難しい操作はなくて、誰でも簡単にアーセナル乗りになれるんだ!
空を飛ぶだけなら戦闘機でいいのですが、やはり人型ロボットが飛ぶというところにロマンがあるのでしょうね。
一定の高度限界こそあれ、それ以外は360°縦横無尽に移動できるスピード感はそれだけである程度の楽しさを感じられるもんだよな
平面だけじゃなく高さを使った自由度の高いアクションを求めてるってゲーマーは一度触ってみる価値はあると思うぜ
溢れ出る制作陣の熱意
このゲーム、とにかく「ロボットゲームを作るぞ!」っていう熱意を感じる出来になってるんだ
というと具体的には?
アーセナルや装備のディティールはかなり細かくモデリングしてある
機体グラフィックもスイッチの中ではいい方じゃねーかな
それに、装備のパラメータはこんなに細かく設定してあってそれぞれ見ごたえがあるぞ
わ、どこを見ればいいのか分からなくなりますね。
ゲームとしてはその通りなのが難点だな
でも自分がロボットに乗るならこういうある程度細かい情報まで見られた方が安心かも知れません。
デモエクはそういうリアリティを求めて開発されたって感じがあるんだよな
例えば武装はアサルトライフルやマシンガンみたいな比較的ありえそうな武装が多く用意されてる
ビーム系もそれほど超兵器って感じはしないな
わたしが好きなゲームに『ZONE OF THE ENDERS』ってロボゲーがあるんだが、そっちは超機動から超兵器ぶっ放して敵一掃!みたいなイメージだ
それに対しデモエクはあくまでも白兵戦の拡張って感じでSFとリアルの間を探ってるイメージだな
SFと一口に言っても色々と程度がありますから、好みが分かれるんですよね。
メタ的には多分、マルチプレイがあるってことで無双ゲーにならないようにしてんだと思う
メカニックや設定が凝ってる以外にも、こういうところにロボ好き感が見えるな
この方たちは?
『バレットワークス』ってチームのパイロットで、ストーリー序盤から結構な強キャラとして登場する奴らだ
この二人の声優ガンダムのシャアとアムロがコンビで起用されてるんだよな
そう言われればシャアさんのイメージカラーは赤でしたね?
ディアブロ≒アムロのガンダムは本来白なんだが、そこは主人公に譲って黒になってるな
こういう先駆者リスペクトというかオマージュが各所にあって、わたしとしては好感が持てるところだ
ここで一旦感想をまとめると・・・正直言って全体的に粗削りだ
おや、そうですか。
結構褒めていると思ったのですが。
マイナス点もあるからここから説明するよ
粗削りなんだけど、それと同等以上にロボにかける想いや細部の作り込みを受信できるんだ
そのおかげである程度出来に目をつぶれちゃうっていうのが魅力なんじゃないかって思うな
なるほどー……ゲームに対してそういう評価軸があるとは思っていませんでした。
シリーズが長いゲームだとマンネリ化することもあってな・・・
デモエクは新規IPならではのフレッシュさを見せてくれた期待株って言っておくぞ!
マイナス点
ストーリーが入ってこない
まずどうかなと思ったのは初っ端からストーリーが理解しにくいことだな
オープニングではセリフも何もなく月が落ちて、当たり前のようにフェムト、イモータル、アウター、アーセナル、オービタルとピンと来ない用語が乱打される
どれも初見で意味が分かる単語ではありませんし……。
しかもそういう部分の説明は戦闘中の会話で進んだりするから十分理解しないまま先に行きがちだ
ある意味似たような設定のゲームに『ゴッドイーター』ってのがあるんだけど・・・
あっちはゲーム内に用語集や人物データがあったから分かろうと思えば分かれたな
いちいちグーグルさんに尋ねながらゲームするのも面倒ですし、そういうのがあると便利だったかも知れませんね。
この傾向は最後まで続くぞ
だからわたしは「最終決戦なのに何のために戦ってるのかよく分からん…」ってなってた
ちなみに公式サイトには結構分量のある小説が掲載されてるぞ
読まないとOPムービーが意味不明だぞ
装備収集が手間
装備はボディパーツ・武器・アタッチメントに分かれてる
収集には時間がかかるかもしれないぞ
やり込み要素、ってやつですか?
そうとも言えるけど・・・
装備を集めようと思ったら敵性アーセナルを撃墜してパーツ武器を奪取するくらいしか方法がない
ザコAIならいざ知らず、アーセナル型は出現数が少ないし倒すのにも手間がかかる
そうか、主人公と同じような機体を使ってるわけですからそれなりの戦闘力はありますよね。
そのうえ、出てきた敵が狙いのブツやその素材になる装備を持ってるとも限らない
例えば『モンハン』だったら「この装備欲しい⇒この素材要る⇒このモンス狩ろう」って計画を立てられるけど
デモエクだととにかくアーセナルと戦うしかなくて面倒くささが先に来ちゃうな
ゲーマーは意外と徒労は嫌うんだよな
ボタン使用数が多すぎる
このゲーム、ボタンはかなりフルに使うぞ
LR・ZLZRは常に使うしカメラ移動も必須
この時点で人を選ぶレベルで忙しい
十字キーとABXYもまあまあ使うし・・・
わ、私もう追いつきそうにないのですが!
それと場合によってはスティック2回倒しや押し込みもあるな
指と頭があと1セットずつ要りそうです……。
移動しながら十字キー操作なんてゲーム慣れした人でも難しいし、ライト層にはオススメしにくいゲームだ
機体に工数を割きすぎ
これはどういう意味ですか?
アーセナルの戦闘ムービーとかは気合い入ってるやつが多いんだけど・・・
一方で人間同士の会話の場面は体の動きがほとんどなかったり、そもそも文字とボイスだけで進んだりする
こうなるんならいっそのこと人体モデルはオミットしてロボ特化でもよかったと思うんだよな
それと砂煙みたいな一部エフェクトも安っぽさが目立つ
具体的にはあるボスが地中に潜るエフェクトなんかは『ブレスオブザワイルド』みたいになってんな、て感じだった
なまじアーセナルの見た目とかムービーがいいだけに差が目につくというか
簡単に言うとロボアクション以外が手抜き――
じゃなくて!
た、多分予算とか人手が足りなかったんだと思うぜ
歴史あるシリーズにはお金もいっぱい使えるけど、新作でしかも人を選ぶロボゲーだとメカニックだけで精一杯だったんだろう
しかしそういう部分は、アイルさんのように好意的に捉えてくれる人ばかりではないと思いますよ。
それはそうなんだよな・・・
評判は悪くないみたいだし、ぜひ次回作でグラにうるさい連中をギャフンと言わせてやってほしいな
総評
評価点
ロボットのカッコよさ
ロボットを乗りこなす楽しさ
細かいこだわりや他作品へのリスペクトに感じる熱意マイナス点
ストーリーが難しい(公式小説で補完可能)
装備収集がしにくい
操作の忙しさで戦闘の爽快感が半減
グラフィックや演出に粗
これを見てわたしが思うに、デモンエクスマキナの評価はこれだな
『キラリと光るところのある普ゲー』
可もなく不可もなく……というところですか。
総合点で言えばそうなるな
めちゃくちゃ面白いわけじゃないしつまらなくもない
いいところもあれば悪いところもある
ただいいところの中には磨けば光るものを感じる
次回作があるならそこを珠にしてほしいと思ってるぞ
なんとなく、今日のアイルさんは甘口な気がしますね。
まあいっせいトライアルでほぼタダで遊んだゲームってこともあるし、そもそもロボアクションは好物だしな
定価(¥7,800)だったらもっと厳しい口調だったかもしれない
何にせよ、新規IPってこういう感じでいいと思ってるし開発陣にはこのままいいゲームを作り続けてほしいぜ!
そうしてできた神ゲーをアイルさんが
トライアルやフリプで格安で遊ぶ!
そう言うような気がしていました。
消費者ってそういう感じでいい、だろ、イブ?
★おわり★
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