天道アイルのゲーム棚

ゲーム好きの天道アイルが友達のイブとゲームをプレイしたり紹介したりするブログです

【聞いたことはあるけど中身知らない小説解説】その2『ハムレット』~To be, or not to be~

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は~あったまってきた

そうですね、最近は暖かい日が多くて春の訪れを……

いやイブ、そうだけどそうじゃなくて・・・

あったまるっていうのはゲーマー方言で『イライラする』みたいな意味なんだよね

なるほど、カッカするみたいなことですか……。

スマブラでもポケユナでも負けたときのストレスがヤバい・・・!

でも勝った時のカタルシスがあるもんでやめらんねぇんだよチクショウ!!

(面倒臭い性分だな……)

 

つまりアイルさんは続けようか止めようか、迷っている……

『To be, or not to be, that is the question』ですね。

なんか聞いたことある言葉だけど・・・なんだっけそれ?

シェイクスピア『ハムレット』の一セリフですよ。

じゃあせっかくですし、少しゲームは休憩にして私の話でも聞きませんか?

 

ウィリアム・シェイクスピア『ハムレット』
福田恆存訳 新潮文庫 1967年

あらすじ

城に現れた父王の亡霊から、その死因が叔父の計略によるものであるという事実を告げられたデンマークの王子ハムレットは、固い復讐を誓う。道徳的で内向的な彼は、日夜狂気を装い懐疑の憂悶に悩みつつ、ついに復讐を遂げるが自らも毒刃に倒れる――。恋人の変貌に狂死する美しいオフィーリアとの悲恋を織りこみ、数々の名セリフを遺したシェイクスピア悲劇の最高傑作である。(カバーより引用)

 

これが本カバーに書かれたあらましです。

話終わっちゃってんだけど

そうですね、ストーリーは大体ここに書かれている通りです。

でもこれではい終わりとはいかないので、もう少し解説させてください……。

まあそうなるよな

今回は例の『To be~』というセリフがどのような経緯で発されたものなのかに重点を置いてお話しますね。

そこまで知っておけば、シェイクスピアの話題になった時に問題なく知ったかぶれるはずです!

日常会話でシェイクスピアの話題になったことないけどな

大丈夫です私から話題にします。

マッチポンプすな

 

設定

舞台はデンマークです。
執筆されたのが1600年頃のようですから、時代としては中世をイメージするといいかと思います。

 

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中世ヨーロッパってワクワクする響きだよな・・・

勇者とか魔法とかドラゴンとか出てきそうな感じはありますけど。

ドラクエの功績は偉大だぜ

今作の主人公は王子ですが勇者ではありません。

 

登場人物はこのような感じです。

 

  • ハムレット:主人公、先王の息子
  • クローディアス:デンマーク王、先王の弟
  • ガートルード:現王および先王の妃
  • ポローニアス:宰相
  • レイアーティーズ:ポローニアスの息子
  • オフィーリア:ポローニアスの娘

 

デンマークにはハムレットという王様がいたのですが、ひと月ほど前に亡くなり弟のクローディアスが即位

義理の姉だったガートルードを妃に迎えたというのが物語開始より前の出来事ですね。

ハムレット王の息子が主人公のハムレットか・・・ややこしいな

ハムレット二世です。
ルパン三世みたいなものですね。

ルイとかアンリとかでたとえろよ

 

父の死以来暗く落ち込んでいたハムレットですが、彼には思うところがありました。

それが母であるガートルードが現王の妃になったことです。

親の再婚はフクザツだな
しかもまだオヤジが死んでひと月だとねぇ

簡単に現王になびいた母に何か報いを受けさせたい……。

ハムレットはそのように考えていたわけですね。

 

復讐の始まり

そんなハムレットはある日、友人から『ハムレット王の幽霊を見た』と聞かされます。

夜ごとに現れるというので、一緒に見に行ってみることにしました。

するとそこには鎧兜を纏った父の姿がありました。

親子の再会か、よかったな!

そうなのですがあまり感動的な場面ではありません。

王の霊はハムレットに自分の死の真相を告げます。

すなわち、弟クローディアスが毒を使い暗殺し王位を奪った。懺悔の時間もなく死んだ自分はあの世で酷い責め苦を受け続けている……と。

うわあドロドロしてきた・・・

それを知ったハムレットはクローディアスとガートルードへの復讐を誓い、行動を始めることにします。

 

狂気を装う狂気

復讐心に駆られたハムレットはその奸計を王たちに知られないよう気が狂ったフリをすることにしました。

現代なら鉄格子付きの病院に入れられるような振る舞いでも、王子です。

周囲の人々も何事かと思いつつ何もできませんでした。

まさしく上級国民だもんな

ハムレットの狂気の原因は何かと考える王たちにポローニアス『娘オフィーリアへのが原因では?』と伝えます。

フラれたショックでってことか

いえ、別に振られてはいないんですが……。

なんじゃそりゃ

王たちもありえそうだ、確かめてみようということになり。

なんか腑に落ちねぇよ!

それくらいオフィーリアが美しい娘だったということでひとつ。

ポローニアスはハムレットが狂ってからというもの、娘には彼と関わらないように言っていたのですが、あえて二人きりで引き合わせてみることにします。

そしてその様子を隠れ見て確かめてみよう、と。

ですがそう話しているのをハムレットに立ち聞きされてしまいます。

デンマーク王室の管理体制はガバガバ

オセアニアを見習ってほしいですね。

いやそこまではいかないでほしい

 

 

To be, or not to be 生か、死か

そういうわけでハムレットがよく通る廊下にオフィーリアが放され、二人が出会う場面があります。

はじめ、ハムレットは考え事をしていて独り言を言いながら歩いてくるのですが……

その最初の一言が『To be, or not to be, that is the question』でした。

どういう意味なんだ?

難しいところです。
訳や解釈については意見が別れます。

よくある訳としては『生きるべきか死ぬべきか、それが疑問だ』という風ですね。

私の手元にある福田恆存さんの訳では『生か、死か、それが疑問だ』となっています。

カッコイイけどあんま直感的じゃねーな

細かい部分はやはり読んで感じてもらうのが一番ですね……。

 

この後に続くセリフでは自死をほのめかすような箇所もあります。

全体を通して見ると、生きて復讐の刃を振るうか、自刃して苦痛の日々に終止符を打つか、それに悩んでいる……という風に考えられそうですね。

そういう文脈なのか
これでわたしも知ったかできるぜ!

 

復讐の帰結

ハムレットとオフィーリアは会話し、王はそれを隠れ見る。

狂った言葉でのらりくらりとはぐらかすハムレットでしたが、王はその態度の中に何か企みを感じハムレットをイギリスへ厄介払いし処刑してもらう計画を立てます。

やべえぞついに特権が切れたぞ!

一方のハムレットも母ガートルードに悔い改めよとありったけの罵倒を繰り出し、無事改心させます。

実のママは分かってくれたんだな!

そしてその様子を隠れ見ていたポローニアスを一撃でブッ殺します。

えぇ・・・

 

イギリス送りにされかけたハムレットは国書を偽造し船から脱出、デンマークに戻ると復讐の続きを考えるのですが……

戻った時にはポローニアスが死んだことでオフィーリアの気がおかしくなっていました。

ガチの人出ちゃってるじゃん・・・

 

狂ったオフィーリアが自死のように亡くなったことで留学していたその兄レイアーティーズはハムレットへの復讐を決意します。

取り返しつかねーぞこれ

レイアーティーズと王はハムレットにフェンシングの勝負を持ちかけ、切先に仕込んだで暗殺、上手くいかなければ飲み物に混ぜた毒で……という計画を立て実行します。

奇しくも先王と同じ毒、というところに何やら感じるものがありますね。

よっぽど信頼してんだろうな、その毒

ハムレットとレイアーティーズは一進一退の勝負を繰り広げ……ついには不意を打たれたハムレットが傷を受ける。

その卑怯な一撃にはさすがの王子もカッとします。

あったまっちゃったか

でも毒状態になったしハムレット死んじゃうんじゃ?

実は揉み合ううちに剣が取り替わりまして、同じく毒を受けたレイアーティーズが先に倒れるんですね。

そして毒杯の酒を飲んだガートルードが死亡、

王の企みに気づいたハムレットが王に毒剣と毒杯の両方をかまして王も死亡です。

あぁ~もうめちゃくちゃだよ・・・

ハムレットもついには力尽き、デンマークをノルウェー王子フォーティンブラスに託すと遺言を残し亡くなる……と。

 

これがハムレットの大まかなストーリーになりますね。

復讐は成功したけど・・・誰も生き残らないとはなあ

まさしく悲劇と呼ぶにふさわしい結末ではありませんか!?

目キラキラさせて言うことじゃないけどな

 

まとめ・要点

ハムレットの要点

・『ハムレット』は復讐物語
・デンマーク王子が王に父の仇討ちをかける
・復讐か自死か思い悩むハムレットのセリフ「生か、死か」
・復讐は果たされるが関係者はほぼ死亡する悲劇

 

『リア王』『マクベス』と並ぶシェイクスピアの三大悲劇のひとつ『ハムレット』についてお話ししてみましたが、いかがでした?

まあなんとなくストーリーは分かった気がするぜ

だいぶ救いのない話だけどな・・・

今回は特に有名な『To be, or not to be』が出てくるまでの話が主で、後半の展開などいろいろと端折ってしまいました。

知ったかぶり以上の理解を得たい場合はぜひ実際に読んでみてくださいね。

ただしシェイクスピア作品は小説ではなく舞台台本ですから、ほぼ全編が登場人物のセリフで構成されています。

小説に慣れた人にはやや読みにくさがあるかもしれません。

往年の2chでよくあったSS作品みたいな感じか

あるいは家から出かけて舞台として見に行くのもいいかもですね!

その選択肢もあるな!

 

ただわたしは行き来と観賞の時間の長さ考えると、めんどくなってゲームに走っちゃいそうだけど・・・

前にボコられた相手を探し出してボコり返してやらねーとだしな!

どうやらハムレットの物語はアイルさんの教訓にはならなかったようです。

 

★おわり★

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